[2015年10月15日]
高校1年生がこの時期悩むのが「文理選択」だ。
将来,どんな職業に就きたいか,何になりたいか明確に描けている生徒はおのずと決めることができるが,まだ何も考えたこともない生徒が文理選択と言われても・・・
ざっくりした印象だが,高校生の半数くらいはこの高1での文理選択で誤った方向に行ってしまう。
ところが,一旦誤った方向に行ったら,引き返したりすることができない場合が多い。
したがって,仕方なく最初に誤った方向のまま高校生活を送り,自分にはその道しかなかったとあきらめて過ごすことになる。
特に気をつけてほしいのは数学の選択。
私立の薬学部や農学部などは理系でありながら入試科目として数学?が必要ないのである。
ここで,数学?Bまでしかやらないコースに進むと,数学?が必要なところへは進学しにくくなる。
逆に,本当に?Bまでしか必要ないのに,数学?を履修することが必須の理系コースを選ぶと,高3の時期に入試科目としては使わない数学?に膨大な時間をとられてしまうことになる。
われわれの時代は,数学?が必要ない理系というのはなかったので,何も悩まなかったが,今はそういう大学が増えている。
つまり,数学?に対応するほと頭が良くないが,薬学や農学をやりたいという生徒が多いので,受験生集めのために科目を減らして入試をするのが大学の集客方法なのだ。
そして,これは本末転倒だと思うのだが,数?が必要ない理系の職業として看護師があって,看護師志望の生徒が非常に増えているのだ。
看護師志望者が増えて,その子たちに対応すべく数?が必要のないコースを作ったのではなく,数?を回避できるコースを作ったために,数学にイマイチ自信のない生徒(こういう生徒は多い)がそのコースをなんとなく選んでいるだけ。
すると,数?が必要ない学部などごく限られているのだから,農学か薬学でなければ看護や栄養士くらいしか残らないのである。
女子で資格があって食いっぱぐれない感のある看護師。
「まあ看護師でいいか」と考える生徒も多く,親もなんとなく世間体もよいのでそのまま高校生活を過ごしていくことになる。
ところがどっこい,看護師って,そんなに多くの人に向いている職業だろうか?
私の母親が看護婦だったのでよくわかるが,普通の人は看護師に向かないと思う。
というか務まらないだろう。
自分の娘には,看護師だけはさせたくないと思うような職業だ。
このように,高校1年生で方向性を決めるのに,最も大きく影響するのが数学に対する「思い」「感触」「イメージ」「先入観」「誰かの入れ知恵」だ。
数学で文系か理系かを多くの高校生は決定してしまう。
進路選択を誤らないために最も重要なことは何か。
それは,自分の人生なのだからちゃんと調べて考えろということに尽きる。
入試科目などいくらでも調べられる。
そして,せっかくウチの塾に来ている諸君は,塾に来て相談することだ。
親や学校の教師,ましてや友人との会話で自分の将来をおかしな方向に進めてしまうのは,それはそれで,自分の力量のなさともいえるが,最善を尽くして選択すべきではなかろうか。
みんな安易に選択しすぎている。
にほんブログ村
にほんブログ村