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尾崎塾
富田教室

[2015年10月31日]

三省堂の教科書の件

 教科書を発行する三省堂(東京都)が昨年8月、公立中学校の校長らを集めた会議で検定中の教科書を見せ、謝礼金を渡した問題で、北口克彦社長が文部科学省の昨年時点の調査に、過去にも同様の会議があったことを知りながら、「ない」と虚偽の報告をしていたことが、文科省への取材でわかった。(朝日)


テレビでもやってましたが,一般の方はどう見るのでしょうか?

三省堂の教科書は,特に英語が非常に良いです。
img1 私立中学校での採用が他を圧倒して多いのがその証拠です。
今回の件で,三省堂の教科書を高槻市や茨木市が採用しなくなっては困りますよ。

どうして良い教科書ができるかというと,この「問題」とされている件のように,現場の先生の声をよく聞いてつくっているからです。

よい教科書をつくるためには,現場の先生と密接に情報・意見の交換をしないといけないのに,検定の時に現場と交流してはいけないというルール自体がおかしな話だと思います。

現場の意見を教えてくれる先生に謝礼を払うのは当然であり,何も問題ないはずです。

ところが,やってはいけないというおかしなルールがあるので,正式に経常できず,裏で悪いことをしているかのような支払い方になってしまっていたのでしょう。

このように,教科書会社が現場の先生と接触するのは,当然ながら三省堂さんだけではありません。
おそらくすべての教科書会社がやっています。
そうでないと,現場のニーズと乖離した内容の教科書をつくってしまうことになり,文科省の検定が通ったとしても,どこも採用してくれませんから。

かく言う私も,別の教科書会社の校正の仕事をしたことがあります。
検定前にちゃんと内容を把握しながら校正できる人にやってもらわないとダメに決まってます。
それで,たしか年度末あたりに盛大にパーティーを開いていて呼ばれたことがあります。
当時有名だったアスリートのコーチを招いていました。
お話ししてアスリートのサインと名刺をいただき,宝物にしています。
そのようなことはどの教科書会社もやっているものです。

おかしな癒着があったり,常識をはずれた謝礼金が動くと問題ですが,教育内容を左右する教科書の質を向上させるための意見交換などは自由にできるようにすべきです。
問題があるのはおかしなルールの方だと思われます。



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