[2015年11月12日]
「受験は団体戦だぁー!」
これって本当でしょうか?
この言葉は特に学校や塾のように集団で一つの方向に向かって頑張らせたい時に生徒を乗せるために使われます。
先日紹介した西大和高校も,そのようなノリで頑張ったようです。
ただ,そのように「団体戦」のノリでしっかりと指導するのは,実は非常に高度な指導力が必要なのです。
そこんとこ,間違っている指導者が多いので要注意という話。
団体戦というのは,まったく体育会系のノリなのです。
なので,私のように本当に体育会で戦っていた経験があるとやりやすいのですが,一般の人にはその空気感をつくるのは難しいと思われます。
空気をつくるコツをここでこっそりお教えしましょうか。
それは,「試合に出ない人を試合に参加させること」です。
ただ,スポーツでも団体戦になるとすごい力が発揮されて活躍する選手がいる一方,団体戦だと力が出せないタイプの選手もいたりします。
だから,団体戦のノリが必ずしも全員に有効にはたらくとは限らないわけです。
よく考えてください。
入学試験というのは団体戦ですか?
これはもう,究極の個人戦ではありませんか。
学校でよく使われる「団体戦」という言葉には気を付けるべきなのです。
なぜなら,そういう言葉を使うことで,全員を一律にコントロールしやすいからです。
ちょっとはずれそうな生徒に「おまえ一人別行動をとるとチームの和が乱れる」みたいに指導しやすいのです。
本来,教育は個々の能力が異なるし,大学入試などは受ける大学や学部系統がまちまちなので,それこそ個人個人に合わせてやるべきです。
学校や集団塾では,やはりそれがやりにくいので,どうしても集団で同じことをやるのにもメリットがあると言いたいわけです。
つまり,現実に「団体戦」を口にする教師の多くは,指導力が「ない」からそう言うのであって,本当に「団体戦」のメリットを享受するには,相当に指導力のある教師がついていないと不可能なのだと理解しておきましょう。
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