[2015年11月26日]
たとえば,今日の日経新聞の1面見出しはこのようになっています。
この見出しを見て,何のことかわかりますか?
結論を先に言うと,こういうことがわかる力が学力なのです。
まず,見出しの意味をとるのに,いろいろな言葉を知っている必要があります。
「アップル」
「有機EL」
「韓国LG」
アップルは,そう,りんごです(^^)
私のiPadにもちゃんとリンゴをかじった模様がついています。
これは言わずと知れた米アップル社のことですね。
マイクロソフト社のビル・ゲイツと並ぶ天才スティーブジョブス氏が立ち上げたコンピュータ会社です。
おそらく,ほとんどの人はマイクロソフト社のソフトが走るウインドウズパソコンを使っていると思います。
このブログを書いているパソコンもそうです。
ところが,学術分野では,このアップル社のパソコンを使っている人がかなり多いです。
理由はいろいろあって,バグったりハングアップしにくいOSの安定性や,画像処理や映像処理に強い点などが挙げられます。
何より,人が直観的な操作で使えるところもすばらしいのです。
その最たるものがiPhoneやiPadですね。
最近はこんな時計=アップルウォッチも出てます。
現在の惑星の配置が表示されています!
この機能を見た瞬間,ポチッと買ってしまいました。
そんなアップル社が,さて,有機ELを採用したのですね。
わかりますか?
有機ELって何?という人がまだまだ多いのでしょう。
話は変わりますが,昨日安倍総理が重大な発表をしました。
カンタンに言うと,蛍光灯を廃止して全部LEDにしちゃえって話です。
LEDが何かは知ってますか?
発光ダイオードですが,じゃあ,ダイオードって何か知ってますか?
知らないことだらけですね。
従来の液晶画面というのは,何か灰色と黒の微妙なコントラストで文字を表示するのですが,明るい液晶画面というのは,実は液晶の表示画面に光を当てているのです。
その光も蛍光灯のようなものだったりLEDだったりするわけです。
さて,ダイオードっていうのはケイ素やゲルマニウムといった半導体を使っています。
半導体って何?という話になりますが,それは置いといて,そういう素子に電子が落ち込むときに光るのですね。
ことわっておきますが,私もエレクトロニクスが専門ではないので,いいかげんな理解ですが,そういう見当がつくという話。
さてさて,では有機ELって何でしょうか。
これ,すごいんですよ。
有機化合物なのに,光るのです。
だから,液晶に光を当てるなどというまどろっこしいことをする必要もないし,液晶画面よりも薄くしやすいのです。
紙のような画面が作れそうです。
そういうものです。
アップル社がその採用に踏み切ったわけですから,これはもう,人間にとって非常に使い勝手のよい,新たな可能性を期待させるニュースというわけなのです。
そして,最後のキーワードが韓国LGですね。
残念ながら,日本の液晶を世界に広めたシャープさんは,倒産寸前の状態まで落ち込んでいます。
そして,この将来性のある有機ELに取り組んでいる会社が日本のメーカーではないのですね。
これで,ますます日本の企業は韓国の会社から遅れをとることになりそうだという悲しいニュースが今日の1面というわけです。
こういったことがわかる力が学力なのだと思うのです。
たとえ,中学生であっても,この見出しを見て,なんとなくでよいですが「ふーん,日本の企業もたいへんだなー」と思えるような生徒が将来,京大や阪大で研究者となって欲しいと思うわけです。
今書いたようなことは,今の世の中すぐにネットで調べられます。
お母ちゃんが解説する必要は全くないのです。
親がしてあげるのは,そういうことがすぐに調べられるような環境を整えてあげることかもしれません。
こどもが自由にネット検索できるようなパソコンがリビングルームにちゃんとあるかどうか。
そういう学力インフラが整っている家庭の方がこどもの学力がつきやすいのは自明だと思います。
よろしいでしょうか,学力というのは学校や塾の授業でつくと考えられていますか。
そういうのも学力の一部ですが,学力というのは,今この世の中がどうなっているのかがわかる力なのです。
そもそも,学力が何かわかっていないで,やみくもに塾に通っても学力がつくはずありません。
親も,塾に行かせて学力をつけてもらおうと思っておられるかもしれませんが,学力とは何かわかっていないとトンチンカンなことになります。
ウチの塾は,そういう本当の意味での学力をつけようと思ってやっています。
その結果,学校の成績がよくなることがあるでしょう。
それは,学校がちゃんと学力を測ってくれたから成績が上がるのです。
逆に,ちゃんと学力を測ってくれていない場合もあります。
安心してください。
およそ,高校入試も大学入試も,入学試験はかなりよく学力を測定してくれています。
だから,ようするに,安心してちゃんとした学力をつければよいのです。
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