[2010年4月15日]
物理で、円盤の一部をくりぬいた物体の重心位置を求めさせた。
正攻法ではくりぬいた部分を元通りにはめ込めば、重心位置は円盤の中心になることを利用する。
今日の授業で、ある生徒が負の質量を加えて解いていた。
本来あるはずの物がなくなっているのだから、負の質量の物体を加えればいいという発想だ。これでも正解が出せる。むしろ計算が楽である。
このように実際にはありえない「負の質量」を導入するのは人間の偉大さだ。数学ではさらに虚数なども扱う。
物理で似たような例に「慣性力」がある。実在しない力なのに、それを加えてつりあいの式を立てると解きやすいのだ。負の質量は慣性力の考え方に似ている。
このような考え方は便利なのであるが、中途半端な理解しかできていない生徒が使うとミスの原因になったりする。負の質量を使った生徒は、実は完全な理解をしないまま、感覚的に「なんとなく」それでいけそうだと立式してしまう。それで正解することも多いので本質的にきっちりわかってないと正答できない問題に弱い。
今度その生徒に聞いてみようと思う。
「真空って、物を引っ張るよね?」
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