[2015年12月27日]
仮に,生徒自身の学力と入試のレベルが正確にわかっていたとしても,そのレベルというのは変動する部分がある。
単純に当日の出来不出来もあるし,大学の人気や学部の人気動向などにも左右される。
さらに,入試の日程も合否のラインに影響するから,そのあたりをどう「加味」するかが難しいのだ。
まず,当日の出来不出来は,それこそ受験生本人にもわからない要素だ。
思ったほど緊張せずにできる場合もあるだろうし,頭が真っ白になる状態を経験する受験生もいる。
当日に高熱を出すかもしれないし,そういう不安定要素はいつだってある。
逆に,本番に強くて,ほどよい緊張感から集中力が高まって出来のよい人もいるが,受験校を選ぶときには,すべり止めとして,自分の考えている実力相応よりも低い大学を受けておかないとどこにも合格できない可能性が残ってしまう。
大学の人気や学部学科の人気は,年によって変化していく。
最近は,法学部が不人気で経済経営学部などが人気だという。
これはアベノミクスか何かわからないが,景気が上向きの時は経済経営のような学部で普通に就職できそうだという理由だろう。
法学部の人気が下がったというよりは,今まで経済系の受験生が法学系に逃げてきていたのがもどっただけと考えてもよいだろう。
ところが,法学系が入りやすいと聞くと,とりあえず学部はどうでもいいから有名大学に入りたいという受験生が集まってくる。
意外に倍率が高く,ふたを開けてみたらそんなに入りやすくなっていない場合がある。
受験生は,みんな考えることが同じなのだ。
みんなの裏をかいて・・・などと自分だけが考えていると思ったら大間違い。
結局みんなと同じ動きをすることになり,自分だけが甘い汁を吸うなどということはないのだ。
入試日程もかなり受験生を動かす要素だ。
たとえば,2月1日の入試は,関大と龍谷大が重複している。
そして,龍谷大は1月30.31日が近大と重複しているのだ。
ご存じのように,大学の人気動向でいうと,同じ産近甲龍でも近大が人気上昇中というのは受験生みんなが感じているところだ。
そこで,産近甲龍レベルの受験生はどう考えるか。
「近大は人気があるので合格できないかもしれない。龍谷大を受けよう。」
というわけで,意外に近大の方に受験生が集まらない可能性もある。
一方,2月1日の場合はこう考える。
産近甲龍のレベルの受験生も実は関大になんとかひっかかれば・・・などと色気を出してしまうのだ。
それで,やや上位の層は30・31日で合格できているだろうから1日は関大にチャレンジしてみようと思ったりする。
ここには,親の思惑も入っていて,一応関大くらいはチャレンジして欲しいと思っていたりする。
かくして,2月1日の龍谷大は比較的入りやすい可能性が出てくる。
ところがどっこい,大学側もサルもので(来年の干支?),日程によって受験生のレベルが大きく違っていてはあまりに低いレベルの層を合格させかねない。
そこで,調整をやるわけだ。
どのようにやるかというと,おそらく何百人もの受験生が3日間の日程の3日とも全部受験してくれる。
その受験生の平均点を比較すれば,どの日程のレベルが高いか低いか見当がつくのだ。
ありえない極端な例でいえば,1日目と2日目で受験生の平均点くらいで不合格だった受験生10人くらいが3日目にはそろいもそろって上位10名のトップだったりして。つまり,3日目の受験層は前の2日間だと全員不合格の受験生ということがわかったりする。
この場合,大学側は前の2日間の受験生からのみ合格者を出し,3日目の受験生を全員不合格にすることができるのだ。
実際は,そんな極端なことにはなるわけないが,原理はそういうこと。
要するに,どの日程を受けても,その大学に入るための学力は変化しないように大学さんは考えているわけ。
ただし,試験日が複数ある大学でなければこのようなことにはならないので,日程による有利不利は若干生じるのも事実。
そんなことまで考えて受験大学・受験日程を考えるのは至難の業だ!
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