[2016年1月8日]
中学生に作文をさせて一人一人呼んで指導している。
そのテーマでこんなのがある。
人の気持ちがわかる人間になりたいかのアンケート調査のグラフを見て意見を書く。
たいていの生徒の着眼点は,「そう思う」が多いので良いことだというもの。
それで,なぜ良いかの理由だが,人の気持ちがわかると,いじめがなくなると思うらしいのだ。
本当に人の気持ちがわかるようになればいじめがなくなると思っていたら大間違いなのである。
つまり,いじめが起こる原因は別のところにあって,「人の気持ちがわかる」ことはいじめの防止になるどころか,より確実にいじめることができる能力なのだ。
だって,そうでしょ?
いじめは相手の嫌なことを「あえてする」のだから,相手がどうされたら嫌かをよくわかる人は,確実に相手が嫌なことをすることができるからだ。
知らず知らずのうちに相手を傷つけたというのは誰でもあるのだが,そういうのとは話が違うのである。
これは本当に難しい。
ダチョウ倶楽部の上島が「押すなよー。絶対に押すなよー!」というのは,実はお約束で「押して下さい」という意味だから,彼をいじめるのに有効なのは「押さない」ことだったりするのだ。
ちゃんと気持ちのわかる人は,確実に嫌なことができる。
まあ,高校入試の採点では,人の嫌な気持ちがわかってあげる人が増えるといじめがなくなるだろうというキレイゴトでOKにするしかないだろう。
中学生の作文としては問題ないのだが・・・
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