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尾崎塾
富田教室

[2016年1月14日]

チャレンジテストはナンセンス

 大阪府内の公立中学1、2年生を対象にした統一テスト「チャレンジテスト」が13日、約480校で一斉に実施された。大阪では今の中1と中2の内申点が3年時に加えて新たに公立高校入試の合否判定資料に使われる。学校ごとの内申評価の公平性を図るため、テストの結果を生徒の内申点の補正に利用する。(朝日)


大阪府の公立高校入試は,毎年変化があって,今年はこのチャレンジテストというのが新しい企画だ。

書いてあるとおり,各学校間の「不公平」をなくすためにテストをするらしい。

このテストを利用したところで,完全に不公平をなくすことは不可能だし,そもそも「不公平」とは何かという話。

世間の人の感覚はわからないでもない。
たしかに中学校間での学力差は大きい。

ウチの塾の生徒でも,同じ模試偏差値くらいの生徒の内申点が大きく違っていたり,校内実力テストの点数が100点くらい違っていたりする。
実際,多くの私立高校は入試事前相談で示される基準を中学校ごとに微妙に変えているのだ。

だがしかし。
そんなに目くじらを立てるようなことでもないと思う。

同じ学力テストをして平均点が80点の出木杉中学校と平均点が40点しかない尾場加中学校で,内申が5の生徒を比較してみよう。
出木杉中学で内申5の子は,それは優秀な子たちの中で,さらに優秀な位置にいるわけだから,相当に優秀だろう。
一方の尾場加中学の内申5の生徒は,そんなにおバカだろうか。
いや,むしろおバカ集団の中で自分だけ上位に行こうとすると,それはそれは大変なことなのだ。
だって,みんなしっかりと足を引っ張ってくれる。
そういう中学校の授業はちゃんと成立していないだろうから,学校で学力をつけるのは至難の業だ。
授業の内容も,とにかくカンタンな内容になりがちで,ちゃんと高校入試につながるような試験もしてもらえない。
そういう劣悪な環境で上位にいることは,むしろよくできる子が集まった教室で真面目に過ごすことよりもずっとすごいことなのだ。

実際,私自身は吹田市では学力で最上位と思われる中学にいた。
その中で真面目に勉強することは自然なことであって,誰かに邪魔されるようなことはなかった。
ところが,みんなが勉強しないような雰囲気の学校で,この私が真面目にできたかというと,それは自信が全くない。
一般に,出木杉中学よりも尾場加中学の方が内申が取りやすくて「有利」だとか「得」だとか思うだろうが,実際はその生徒によってはその有利不利は逆転するし,劣悪な環境の尾場加中学の生徒の中で逆風に耐えて頑張っている生徒には少しくらい内申点が加算されても「焼け石に水」かもしれないのだ。

まあ,私なら出木杉中学の方がむしろ「お得」だと考える。
普通に授業を受けていたら標準以上の学力がつくわけだし,何も悪いことない。

そういうわけで,内申点をそのチャレンジテストで「補正」することが本当に公平につながるのか疑問であるし,そんな小さなことにとらわれずに,自分の置かれた環境の中で最善を尽くして頑張ることだけ考えていたらよいのである。

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