パソコン版を見る

尾崎塾
富田教室

[2010年4月21日]

全国学力テスト

全国学力テストが昨日実施された。4月の第4火曜日にやることになっている。

4回目の今回から抽出方式に切り替わった。
しかし、抽出外の学校から参加希望が相次いだため、抽出分と合わせて7割以上の参加率となった。

なぜ抽出方式にしたかというと,お金の問題である。全数調査よりも3割の抽出にした方が安いのはあたりまえだ。

しかし,この全国学力テストの話ほど頭の悪さを(大人の方です)測れるテストはない。

そもそも,全数調査と抽出調査では試験の位置づけが変わってしまう。その議論なしに予算が優先されることほどバカげたことはない。全数調査だと,すべての地域や学校間での差異が調べられるし,学校内でもクラスによる差異が測られる。抽出だと,全体的な理解度を統計的に追うことになる。指導要領が適切かどうか,発達段階に即しているかなどが研究できる。

最も頭の悪さを示したのは大阪府知事だ。全数調査によって,学校間の差が出るのは当然で,それを元に学校側が対応策を考えていくことが当初の目的だっただろう。しかし,知事はそれを公開するように指示した。すると,学校の評判というものもあるから,純粋に学力統計をとったり内容の研究をすることよりも,競争が主眼になってしまう。本来の教育活動よりも学力テストで点をとらせることが目的化してくる可能性がある。市町村の間でも競争意識になる。ダメな市町村と言われたくないから,無用な圧力をかけたりすることになる。

試験をつくる方も,非常にいい問題をつくられているようだが,使われ方が変わればつくり方も変わる。結果が公開されるかどうかは,出題内容に微妙に影響する。今は,教育現場の内容が反映するような良問ぞろいだが,公開されて差がつくと困る人が圧倒的多数なので,そういう人たちから圧力がかかる。すると,とりあえず練習さえすれば点がとれるような計算ドリル的問題が増えるにきまっている。それではこのテストの意味がない。

教員もたいへんである。採点業務を誰がするのか。1人分を5分で採点しても100人分だと何時間もかかる。労働組合から文句が出る。時間外手当を出せと。

だいたい,教員に労働組合があるのがおかしいと思う。生徒のためなら,勤務時間がどうのこうの関係ないと思うような人が教員をやればいいのである。

政治,お金,法律・・・・と教育。

本当にかしこく考えないと,教育現場はどんどん崩壊していく。


ボタン押してね↓
にほんブログ村 教育ブログ 塾教育へ
にほんブログ村