[2016年3月11日]
あれから5年です。
この写真は,昨年岩手県の田老で撮ったもの。
たろう観光ホテルは,そのまま残されています。
津波の威力を感じることのできる大切な遺構です。
ココ田老は,万里の長城とも言われた防波堤で守られていました。
しかし,津波はそれを乗り越え,破壊してしまいました。
この写真に写っているのが万里の長城・・・
行ってみるとわかりますが,それほど高くありません。
これで守られていると思っていた時点でアウト。
むしろ,これがあるから逃げ遅れたとも考えられます。
とにかく,津波が来そうな地震が起これば,高台へ逃げることです。
それ以外に方法はありません。
なのに,震災後,国や自治体が採った対策は「防波堤」と「かさ上げ」です。
これは陸前高田のかさ上げ。
これらの対策はあくまで副次的なもので,津波が押し寄せるまでの時間をかせぐとか,低い津波の時に助かるというだけです。
結局のところ,かさ上げされた土地に住んでいても,逃げ遅れたらアウトなのです。
つまり,国や自治体がすべき,唯一の対策は,避難路の確保だったはずです。
今からでも遅くないので,沿岸の各市町村は,どの住民も車でビューっと逃げられるような道路整備に着手するべきなのです。
小さな漁村に,御堂筋バリの広い道路を高台へとつくります。
その道路には何も障害物を置きません。
ただ,広い道路。
地震が起これば,お年寄りや身体が不自由な人も,車で逃げます。
車は軽トラでも何でもいいから,常に人数分用意しておくのです。
現在行われている防波堤やかさ上げの工事費よりもはるかに安くて安全確実な方法がこれです。
惜しい町がありました。
釜石です。
こんな避難路を整備していました。
せっかく高台への道があるのに,道路はせまい2車線しかなく,車が通れないように障害物だらけの中央分離帯?
これを見てゾッとしました。
ここへ車が殺到したら,また多くの命が亡くなります。
どうしてそういった想像力がないのか不思議です。
つくるべきは,これくらいの道路幅を確保して,何も置かない状態の避難路なのです。
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