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尾崎塾
富田教室

[2016年3月14日]

広島の件を考える

広島で自殺した生徒の報道がずーっとありましたが,最初からどうも腑に落ちなかった点が,少し整理できてきました。

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腑に落ちないのは,おそらく普通の方と全く観点が違いますし,マスゴミの報道とも全く違う切り口になります。

一部,気分を悪くされる方がおられるかもしれませんが(毎度のことですが)ご了承ください。


まず,生徒指導のこのような取り違えや引き継ぎのミスは,普通にどこでも多くあります。
この中学校が特別におかしなことをしていたわけでもなく,学校や関係教師をことさらバッシングするというのは,全く的外れの指摘です。
担任の教師にしても,TVのコメンテーターや報道で,とんでもない教師であるかのように罵られていますが,普通にどこにでもいるような教師です。

本件の最大のポイントはココです。
普通にどこの中学校でも起こり得るミスがあり,どこにでもいる教師が,どこにでもあるような指導をした結果,自殺者が出てしまったという事実。

ミスは誰にでもあります。
どの業界でもあります。
命を直接あずかる医者でもミスをします。
教師が公文書でない書類の記載事項の申し送りをミスしたところで,特に不思議はありません。
この他にも全国の中学校や高校で,同様のミスは現在もたくさんあるはずです。

間違っている点が1つ。
これは,多くの人も指摘していますが,中1での万引きが仮にあったとしても,中3での推薦入試をそのせいで受けられないという制度が完全に誤り。
これは,その私立高校も含め,私立高校側が推薦資格を要項に記載しているのかどうか。
そういう要項であるのなら,全国でそのようなあるまじき要項を撤廃すべきです。
ちなみに,私立高校が大学の推薦入試に推薦する場合,高2までの非行歴はチャラにします。
さすがに高3になってやらかしたらアウト。
ましてや将来のある中学1年生の万引きが3年の進路に影響するなんてありえないです。
懲役3年みたいな話になります。

さて,自殺した原因がどうも腑に落ちなかったのですが,おそらくですが,担任がこう言ったことが原因でしょう。
「君は,一般で受けても2万パーセント合格しませんっ!」
※大阪では2万%ない=少しは可能性があるの意味ですが,生徒には伝わらなかったと思われます。

一部報道で,一般で頑張ったら合格できると言ったと書いてありましたが,これは担任の自己申告でしかありません。

中学校の進路指導はこうです。
その生徒が合格レベルでない私立高校は受験させません。
私立高校との密約があるからです。
その場合,1つ下のレベルの私学に誘導します。
君はこの学校は合格できないので,下のレベルの学校にしなさいという指導です。

このブログ読者なら覚えておられると思います。
茨木市の養精中学の教師が「君はその私立受けても合格可能性0パーセントや!」と言われたのです。
母親にはなんと「試験で満点取っても合格しません」とまで言いました。

行きたい高校の可能性がゼロと言われたら,悲観するのはあたりまえ。
もしかして,その生徒が今回の生徒のようにセンシティブだったら自殺していたかもしれないのです。

幸い,その生徒には私が本当の可能性を伝え,意欲的に頑張った結果,みごとその高校に合格してみせたのです。

念のため,その高校に電話して満点で不合格なのかどうか聞きました。
すると,その担当の方もあきれてました。
満点で合格しないハズないです!

しかし,担任が無理だと言ったら絶望する生徒は世の中にいるわけです。
今回の原因は,わかりませんが,万引きの冤罪というよりも,その私立はどうやっても合格できないと絶望的な言葉を言われたからかもしれません。

そうだとすると,このような件は,茨木市でも高槻市でも起こり得る話となります。
「その私立,絶対合格しない」と言う担任は山ほどいます。
現実には,塾で見るかぎり,かなり合格可能性が高くてもそう言われています。
何度もそういう話を聞いています。

茨木市養精中学のその教師は,殺人未遂ですね。


広島の件は,非常にめずらしいミスのせいでも,ありえないような対応をするトンデモ教師のせいでもありません。
ごく,普通に,どの中学校でも起こり得る出来事にすぎないのです。


メスを入れるべきは,推薦の要件と私立高校と中学の談合制度です。

多くの人が考えている「申し送りのミス」や「トンデモ教師」を単発で処理しても,いくらでも次の自殺者が発生します。

取り返しのつかない悲しいことが,この塾の校区で,あるいはブログ読者の身近で起こっても全く不思議ではないのです。




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