[2010年4月22日]
ジオスが破産手続きの開始を申請し、7000人以上が通う99校が21日、突然閉鎖された。
最大手のNOVAが2007年に破綻(はたん)して3年。英会話業界の信用はほとんどなくなったといえよう。受講生が前払いした授業料が返ってこないらしいから,今から受講する人は怖くて払えない。ますます受講する人口は減るだろう。
そもそも,これだけ英会話学校がはやるのは学校教育がおかしいせいだ。学校で中学・高校・大学と10年間も英語をやって,会話ができないのはおかしいではないか。根本的に日本の語学教育を見直すべきであろう。
実は日本の多くの大学は,英会話はもちろんのこと,英作文も全くできなくて合格できるのだ。長文の読解や文法問題をマークまたは記号で答えるだけである。相手に自分の意見や気持を伝える能力はゼロ。
多くの大学と書いたが,それはほとんどが私立大学である。国公立大学は英作文の出題がきっちり入っているので,作文能力がないと合格は難しい。その国立大学でも会話能力なしで合格できるのだ。
大学受験生を指導していても単語を覚えるのに発音やアクセントまで気がまわっていない。大学入試に出題されないかもしれないが,話すときに困ると思っていないようだ。いや,むしろ「俺は絶対に英会話なんて一生やらない」と固く誓っているようだ。しかし,実際に大学で研究したり会社で海外出張すると英会話が必要になってくる。それで英会話学校の出番というわけだ。
おそらく日本人のコンプレックスの原因は発音であろう。rとlとかfとhとかfやvの発音,thの発音などが日本人には難しい。こういったことは実は中学生の時期に身につけないと習得が非常に難しいのだ。あまり低学年すぎてもだめだし,おっさんやおばさんになると全くダメだ。言語というのは発達段階がものをいうのである。今の中学校は発音記号さえ教えていないようだ。
先日,中学2年生に発音記号を教えたが,本当は中1の初めにabcを学ぶ前くらいに徹底して教えたい。こういうのは意識づけが大切だ。中1のはじめにそういう意識を持てば,そのあと10年分の英語教育が身についていく。そういうものだと思う。
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