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尾崎塾
富田教室

[2016年4月19日]

震災のこと

まだ連日熊本の震災について報道が続いています。

阪神淡路の震災を思い出します。
結局6000人を超す方が亡くなりました。

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でも,今回の熊本地震は阪神淡路大震災と同じ規模の地震で,なんと死者の少ないことか。

避難所で物資が足りないところがあるとか,行政の対応が完璧ではないととか。
阪神淡路の教訓が生かされていないという批判は,気持ちはわかりますが,実は相当に生かされているのです。
20年前と比較して,いろんな面で格段に良くなっています。


何より,死者が少なかったのは,家の建築基準が強化された点が大きいと思います。


阪神淡路の震災のあと,活断層研究者の端くれだった私(研究会に入っているだけで,ほんとうに端くれでした)は,大学の先生に呼び出されて被災状況を見てまわりました。
もう,一目瞭然。
古い家屋が倒壊して,それが原因で大勢の方が亡くなったのです。
逆に,新しい家屋はほとんど倒壊しませんでした。

そして,その後,建築基準が見直され,今建っている家屋も筋交いを入れるとか,新しく建てる場合も金物で補強するなど,かなり耐震性が増しているのです。
熊本での状況はわかりませんが,全国的には8割以上の家屋が耐震補強を済ませており,今回はそのおかげで死者が非常に少なかったといえるのです。

40人も亡くなって少ないとは何事かとお叱りを受けるかもしれませんが,前にも書いたように,よその国だと1000人ではすまないと思いますし,この地震が20年前に起こっていたら,数百人死んでいたのではないかと思います。

このように,我々は普段気付かないところで,いろいろな人が努力して安全な世の中にしていってもらっているのです。


さて,ほとんど報道されていませんが,南米エクアドルでも地震がありました。
そこでは350名以上亡くなっています。
いつも思うのですが,エクアドルの人の被災と熊本の人の被災で,どちらに心を痛めますか?
どちらかというと,亡くなった方の多いエクアドルの方に多く心の痛みがあるはずです。
もし,そうでない心の持ち方があるなら,何か大切なものを見失っているのではないでしょうか?




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