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尾崎塾
富田教室

[2016年4月21日]

学校で起こりがちなこと

愛知県立高校の30歳代男性講師が3月、定期試験での採点ミスを指摘してきた男子生徒を拳で殴るなどしていたことが20日、県教育委員会への取材でわかった。県教委は「体罰」と認定したが、総合的に判断し、文書訓告にとどめたという。
 県教委によると、席に戻って答案を確認した生徒が採点ミスに気づき、講師に採点をしっかりやってほしいとの言葉を投げかけると、腹を立てた講師が生徒の左手首を右手でつかみ、頭部を拳で殴ったという。(読売)

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この記事からいろんなことがわかります。

男性「講師」となっていますね。
講師は一般には教諭という正社員ではなくバイトみたいなものです。
ちゃんと採用をされない,つまり能力の低い人が講師となっている場合が多いでしょう。
「私,教諭になれないんじゃなくて,ならないんです」という金曜ドラマのような人はめったにいない・・・

さて,学校において,採点ミスというのは,こりゃ想像を絶するくらい多くあります。
実際,この記事のように,答案返却の際に生徒が言いに来て,それで訂正するから問題にならないだけです。
問題にならないだけであって,これは大問題です。
もしも返却時に採点ミスにきづかなかった生徒がいたら,そのまま完全犯罪が成立します。

逆に,採点ミスを指摘する機会があるのを逆手にとって,返却された答案をこっそり書き換えて先生に言って来る生徒もいます。(←けっこう多くいます)
たとえば1と書いて×されていたが,正解が4と知って,1を4に書き換えて「先生,これ採点ミスですよ」と持って来るわけです。
時々ある苦しい修正は2の下の方を強引に曲げて3に書き換えるとか。
これは結構曲芸です(笑)

そういう不正を防ぐために,生徒の答案をすべてコピーとってる先生もいます。
最近の業者模擬試験は答案をスキャンしているので,そういうクレームがなくなっているようですが,学校ではなかなかそこまではできないでしょう。

というわけで,採点ミスを訂正する機会を与えることで,かえって不公平なことになっていたりするのです。


もう一つ,「講師に採点をしっかりやってほしいとの言葉を投げかけると」とありますが,それで講師が腹を立てるはずないですよね。
おそらく,
「ちゃんと採点せーやボケ!」
みたいな言い方を生徒がしたんでしょうね。
そんな生徒,誰だって殴りたくなるでしょう。
それで,生徒にケガはなかったらしいので,まあ,そんなにひどい殴り方ではなかったはずです。
先生にこういう口のきき方するような生徒には,もっと学校として毅然とした態度をとるべきでしょう。
全くの想像ですが,記事を読んで最もありそうだなと思うことを書いてしまいました。

img1

ついでに想像すると,県教委が訓告ですませたのもわかります。
この先生,そんなに悪くはない。
確かに手は出したが,生徒もかなり悪い。
訓告ぐらいにしとこうって感じ。
実際,訓告と言っても,
「あかんで,手出したら,たのむで,もうやめといてや」
くらいの話をしただけでしょう。

世間の人が誤解し,マスコミもだまされているのは,世間に代わって県教委が悪い先生を処罰してくれるという認識。
逆ですよ。
世間には,処罰したという形式を見せておいて,実際は先生を守るための組織です。
処罰されないと先生や学校が非難されますから,処罰したことにする「しくみ」が必要なのです。
これ,警察が処罰したらえらいことになります。
つまり,教育委員会が先生を守っているのです。




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